「自分の家計に、今いくらあるか」——すぐに答えられますか?
貯金口座の残高はなんとなくわかっても、投資や保険も含めると「本当のところいくらあるのか」、意外とぼんやりしていませんか。
以前の記事で年間収支を書き出しました。
その次のステップが、家計のバランスシートです。
作ってみたら、今の家計の状態が初めてはっきり見えました。
この記事では、私が作ったときの手順と気づきをご紹介します。
作ってみたいけれど、通帳やスマホアプリをいくつも開いて数字を集めるのは、少し手間に感じるかもしれません。
じっくりノートに書き出したい方はFP協会のシート、自動で連携させてラクに管理したい方はマネーフォワード MEのようなアプリを使うなど、ご自身に合った方法で試してみてくださいね。
この記事でわかること
- バランスシートとは何か(資産・負債・純資産のやさしい説明)
- 資産と負債の書き出し方(FP協会の無料シートをもとに解説)
- 実際に作ってみてわかったこと
バランスシートとは?
バランスシートは「今持っているもの」と「今借りているもの」を一覧にした表です。
3つの言葉を覚えればOKです。
資産(持っているもの)
銀行口座のお金や投資信託、保険、不動産など。
「今お金に換えられるもの」がすべて資産です。
細かい項目は、このあと順番に説明します。
負債(借りているもの)
住宅ローン、自動車ローン、奨学金など。
「将来返さなければならないお金」が負債です。
純資産(本当に自分のもの)
資産から負債を引いたものが純資産です。
これが家計の正味の蓄えです。
資産が多くても、負債が大きければ純資産は小さくなります。
逆に収入が多くなくても、コツコツ積み上げてきた人の純資産はしっかり育っています。
書き出す項目の全体像は、次の表のとおりです。
| 資産(持っているもの) | 負債(借りているもの) |
|---|---|
| 現金・預貯金 | 住宅ローン |
| 保険(貯蓄型) | 自動車ローン |
| 投資(株式・投資信託など) | カードローン |
| 不動産・その他(住宅・車) | 奨学金 |
| その他(リボ払いなど) |
このあと、それぞれの書き出し方を順番に説明します。
資産を書き出してみた

私が参考にしたのは、FP協会が公開している「家計のバランスシート」です。
年間収支のときと同じく無料でダウンロードできるので、見ながら書き込んでいくことができます。
わが家は夫の分も合わせて、世帯全体で作りました。
共働きで口座が分かれている場合も、まとめて書き出すと家計全体が見えてきます。
FP協会のバランスシートには10の項目が並んでいますが、大きく分けると4つのグループになります。
現金・預貯金
財布の中の現金、普通預金、定期性預金など、銀行口座にあるお金をすべて書き出します。
メインバンクだけでなく、使っていない口座も含めて合算します。
わが家は以前、お金の知識を発信しているリベ大(両学長)のYouTubeで学んだことをきっかけに、口座の数を減らしました。
管理がしやすくなり、実際に減らしてみるとすっきりしました。
書き出す手間も減るので、バランスシートを作るのもラクでした。
保険(貯蓄型)
貯蓄型保険(積み立て型の生命保険など)に加入している場合は、解約返戻金(かいやくへんれいきん。保険を解約したときに戻ってくるお金)を書き出します。
掛け捨て保険は将来お金が戻らないため、資産には含めません。
私はすでに貯蓄型保険を解約しているため、この項目はゼロでした。
投資
株式・債券・投資信託・その他の投資商品の評価額を書き出します。
ここで書くのは「今売ったらいくらになるか」という時価です。購入したときの金額ではありません。
投資信託は値動きがあるため、書き出す日によって金額が変わります。
バランスシートを作った日の時価で記録すれば十分です。
投資をしていない場合は、この欄はゼロで大丈夫です。
これから投資を考えている方は、始めたときの体験談をこちらで紹介しています。
積立投資は怖い?|新NISAで始めた初心者の体験談とやさしい始め方
不動産・その他
持ち家がある場合は、現在の市場価値(今売ったらいくらになるか)を書きます。
車を持っている場合も、おおよその売却価値を書き出します。
家や車をローンで購入している場合は、ここに資産価値を書くと同時に、後の「負債」の欄にもローン残高を記入します。
わが家は持ち家なので、以前イエウール(不動産の価格がネットでわかるサービス)のAI査定で調べたおおよその価格を参考に書きました。
物件の情報を入力すると、その場で目安の価格がわかります。
負債を書き出してみた
資産の次は、借りているものを書き出します。
ここでの目的は、借金を減らすことではなく、今どれだけ借りているかを知ることです。
FP協会のバランスシートでは、負債は5つの項目に分かれています。
住宅ローン
持ち家の方は、現在のローン残高を書きます。
残高証明書か、ネットバンキングの画面で確認できます。
自動車ローン
車をローンで購入した場合は、残りの支払額を書きます。
カードローン
カードローンやキャッシングを利用している場合は、その残高を書きます。
リボ払いの残高もここに含めます。
奨学金
返済する予定の奨学金がある場合は、借りた金額(これまでに借りた合計)を書きます。
在学中で返済がまだ始まっていなくても、将来返すお金なので負債に含めます。
給付型奨学金(返済不要の奨学金)は、返す必要がないため負債には含めません。
その他
クレジットカードの翌月引き落とし分も、厳密にいえば負債です。
ただし毎月払い切れているなら、ここでは「ちゃんと回せているか」の確認程度で十分です。
純資産を計算してみた
資産と負債が出そろったら、あとは引き算するだけです。
資産の合計から負債の合計を引くと、純資産が出ます。
出てきた数字が大きくても小さくても、ここが今の出発点です。
あいまいだったものが、はっきりした形に変わる。
その状態をつくることが、バランスシートを作る目的です。
作ってみて気づいたこと

実際に作ってみて、気づいたことがいくつかありました。
資産が多くても、純資産が多いとは限らない
純資産という考え方を初めて知ったとき、「そういう見方があるんだ」と思いました。
資産がたくさんあっても、同じくらい負債があれば、差し引きするとほとんど残りません。
場合によってはマイナスになることもあります。
貯金や持ち物の多さではなく、負債を引いた残りで家計を見る——この視点は私にとって新鮮でした。
解約返戻金が「資産」になるとは知らなかった
意外だったのが、貯蓄型保険の解約返戻金です。
保険といえば、満期に受け取る保険金や、もしものときの保障額のことだと思っていました。
でもバランスシートに書くのは、「今解約したら戻ってくるお金」のほうです。
保険が「今持っている資産」として数字になるのは、意外な発見でした。
預貯金や投資だけでなく、こうして一つずつ書き出すことで、家計の全体像が見えてきます。
貯蓄型保険については、解約して気づいたことをこちらで詳しく書いています。
貯蓄型保険に15年加入した結果|実際の数字と解約してわかった3つのこと
一度きりではなく、続けると変化が見える
バランスシートは、一度作って終わりではありません。
年に1回など、同じタイミングで作って並べてみると、純資産が増えているか・減っているかが見えてきます。
家計の状態が「点」ではなく「線」でわかるようになります。
数字が動いていくのを確認するのは、続けるうえでの励みにもなります。
バランスシートは「良し悪し」を判断するためではない
バランスシートを見て「純資産が少ない」と落ち込む必要はありません。
これは家計の通知表ではありません。
今いる場所を示す、地図の「現在地」のピンのようなものです。
現在地がわからなければ、どこへ向かえばいいかも決められません。
反対に、今の場所がはっきりすれば、次の一歩を考えやすくなります。
今の数字がどうであれ、「書き出した」という行動そのものが大切な一歩です。
まとめ
この記事では、家計のバランスシートの作り方と、実際に作ってみてわかったことをお伝えしました。
- 資産(預貯金・投資信託・保険の解約返戻金など)を書き出す
- 負債(ローン・奨学金など)を書き出す
- 資産から負債を引いて純資産を出す
書き出すのは少し手間ですが、一度作ると家計の見え方が変わります。
次の記事では「ライフイベント表」を作ります。
将来の大きな出費を時系列に並べることで、「いつ・いくら必要か」が見えてきます。
まずは今日、スマホのメモでも紙のノートでも、自分の資産と負債を書き出してみてください。
完璧じゃなくて大丈夫です。
書いてみることが、最初の一歩です。
年間収支の書き出し方はこちらで紹介しています。
1年間にいくら貯まる?|年間収支を書き出したらライフプランが見えてきた
次のステップ、ライフイベント表の作り方はこちらで紹介しています。
いつお金が必要?|ライフイベント表を書き出したら将来のお金の不安が減った

