「ライフプランを作りましょう」。お金の話で、一度は聞いたことがあるかもしれません。
でも、具体的な資金計画まで立てている人は1割ほど。「考えている」という人を合わせても、4人に1人(約27%)にとどまるそうです。
言葉は広まっていても、実際に手を動かした人は意外と少ないのですね。
将来のお金がなんとなく不安。でも、ライフプランの作り方がわからないし、できれば自分で作れたらいいのに——。
私もそうでした。FP3級の知識はあっても、自分の家計では作っていなかったのです。
そこで、年間収支から始めて4つの表を順番に作ってみました。書いていくうちに、漠然としていた不安が、少しずつ具体的な形に変わっていきました。
この記事では、4つの表でライフプランを作る流れと、私が作ってみてわかったことをまとめてご紹介します。
この記事でわかること
- ライフプランを作ると何が見えてくるのか
- 4つの表の役割と、作る順番
- 自分の数字で作ってみてわかった3つのこと
- ライフプランを作るのに必要なもの
そもそもライフプランって?
私はずっと、ライフプランは保険会社や銀行の窓口で作ってもらう、専門的で難しいものだと思っていました。
でも、お金の勉強を進めるうちに、考え方が変わりました。
ライフプランは、「これからの暮らしに、いつ・いくらお金がかかるか」を見える形にしたものです。
特別な知識はいりません。今の家計と、これからの予定を順番に書き出していくだけです。
そして自分で作るからこそ、わが家の数字で、わが家の事情に合った見通しが立てられます。
1円単位まで正確に出す必要はありません。ただ将来を見通すための表なので、今の収入や支出は、手元の明細をもとに実際の数字で書くのがおすすめです。
4つの表で、ライフプランは作れる
私が作ったライフプランは、4つの表でできています。どれも日本FP協会が無料で公開しているツールで、これをそろえると、ひとつのライフプランになります。
地図と、旅の燃料にたとえると、わかりやすいかもしれません。
- ① 年間収支:1年で燃料(お金)がどれだけ増えるか・減るか
- ② バランスシート:今、燃料がどれくらいあるか(現在地)
- ③ ライフイベント表:この先、どこでどれくらい燃料が必要になるか(目的地)
- ④ キャッシュフロー表:このまま進んで、燃料は足りるか(ルート)
この順番で作っていくと、自然とライフプランの全体像がそろいます。
一つずつ、何がわかったのかをご紹介します。

① 年間収支|今、いくら貯まっている?
最初に作ったのが、年間収支の表です。
1年間の収入と支出を書き出して、その差を見ます。残った金額が、1年で貯められるお金です。旅にたとえるなら、1年で燃料(お金)がどれだけ増えるか・減るかを見るところです。
月単位では「まあこんなものか」と思っていた支出も、年間で合計すると、思った以上の金額になっていました。
ここがライフプランの出発点になります。今の家計の流れがわからないと、先の計画も立てられないからです。
年間収支の書き出し方は、こちらで詳しく紹介しています。
1年間にいくら貯まる?|年間収支を書き出したらライフプランが見えてきた
② バランスシート|今、いくら持っている?
次に作ったのが、バランスシートです。
預貯金・投資・保険などの「持っているもの(資産)」から、ローンなどの「借りているもの(負債)」を引きます。
残った金額が純資産(じゅんしさん。本当に自分のものといえる蓄え)です。
これが家計の「現在地」になります。今いる場所がわかると、どこへ向かえばいいかを考えやすくなります。
家計のバランスシートの作り方は、こちらで詳しく紹介しています。
今いくら持ってる?|家計のバランスシートを作ったら現在地が見えた話
③ ライフイベント表|いつ、お金が必要になる?
3つ目が、ライフイベント表です。
家族の年齢と、これから先の予定を1枚に並べます。進学・車の買い替え・働き方の変化などです。
書き出してみると、「いつ・何に・いくらかかりそうか」が見えてきます。
一番の目的は、大きな出費が重なる年を見つけることでした。重なる時期がわかれば、その前の余裕のある年に備えられます。
ライフイベント表の作り方は、こちらにまとめています。
いつお金が必要?|ライフイベント表を書き出したら将来のお金の不安が減った
④ キャッシュフロー表|このままで、大丈夫?
最後に作ったのが、キャッシュフロー表です。
①〜③で用意した数字を組み合わせて、毎年の収支と貯蓄残高が将来どう変わるかを計算します。
これで「家計の未来予想図」ができあがります。
わが家の場合、子どもの進学期に収支が赤字になる年が見えました。でも、それまでに積み上げた残高で受け止められるとわかり、慌てずにすみました。
なお、積立投資で備えている分は元本保証(投資したお金が必ず戻る保証)ではありません。私は利回りを控えめに見積もって書いています。
キャッシュフロー表の作り方は、こちらで紹介しています。
このままで大丈夫?|キャッシュフロー表を作ったら20年後のお金が見えてきた
自分で作ってみて、わかった3つのこと

4つの表を順番に作って、特に感じたことが3つあります。
不安は、見える化すると小さくなる
一番の変化は、気持ちの面でした。
「老後がなんとなく不安」が、「この年とこの年に出費の山が来る。だからそこに備えればいい」に変わりました。
不安の正体は、見えないことそのものだったのだと思います。数字にしてしまえば、ずいぶん小さくなりました。
完璧な数字はいらない
作る前は、正確に計算しないと意味がないと思っていました。
でも、やってみると違いました。1円単位の正確さより、「桁の感覚」がつかめれば十分でした。とくに将来の予定金額は、ざっくりでも役に立ちます。
一度作って終わり、ではありません。暮らしに変化があったら、そのつど見直していくものです。
今やるべきことが見えた
漠然と「貯めなきゃ」と思っていたころより、やることがはっきりしました。
わが家の場合、末の子の進学前後に出費の山が来るとわかりました。そこまでに何年あるかも、数字で見えました。
だから今は、その山に向けて、固定費を見直して浮いた分を積立に回しています。「いつかのため」ではなく「あの出費に備えて」と思えると、続ける手応えが変わりました。
FP3級の勉強で知った「ライフプラン」を、自分の数字で作ってみて
正直にお伝えすると、私はもともとライフプランが何かも知りませんでした。
リベ大のYouTubeでお金の勉強を始め、その流れでFP3級(ファイナンシャル・プランナーの入門資格)も、YouTubeと問題集で勉強しました。ライフプランという言葉も、考え方も、そこで初めて知りました。
ただ、FP3級を勉強したときは、作り方をさらっと習う程度でした。問題集に出てくる表を見て、「こういうものか」と知った気になっていました。
でも、わが家の数字で実際にキャッシュフロー表を作ると、その重みの感じ方がまるで違いました。「うわー、赤字か……」と思わず声が出た年もありました。
そもそもライフプランは、「作ろう」と思うこと自体が少ないかもしれません。私も、お金の勉強を始めるまでは考えもしませんでした。
でも一度作ってみると、自分のこれからを真剣に考える時間になります。そして「これだけのお金が必要なんだ」と、驚くことにもなりました。
人によっては、「こんなにかかるの……」と不安になるかもしれません。その気持ちは、私にもわかる気がします。
それでも、見えない不安をかかえ続けるより、現実が見えたほうが、どう向き合うかを考え始められます。ライフプランを作ることは、その第一歩になるのだと思います。
ライフプランを作るのに必要なもの
用意するものは、次の3つです。
日本FP協会の無料シート
4つの表は、すべて日本FP協会が公開している無料のテンプレートで作れます。
PDF版とExcel版があり、項目が整理されているので、最初の一歩に使いやすかったです。
家計の数字(家計簿アプリがあるとラク)
収入や支出の数字は、銀行やカードの明細から集めます。
私は家計管理にマネーフォワード ME を使っていて、口座を連携すると過去の支出が自動でまとまるので、転記がラクでした。
手書きの家計簿やノートにまとめている方は、その数字を使えば大丈夫です。
少しの時間と、書き出す気持ち
4つの表は、一気に作らなくて大丈夫です。
週末のすきま時間に、①から順番に少しずつ進めれば、無理なく形になります。
ライフプランづくりのよくある質問
ライフプランは何歳から作ればいいですか?
思い立ったときが、いちばんのタイミングです。早く作るほど準備の時間を長く取れますし、結婚・出産・転職といった暮らしの節目も、作りはじめるきっかけになります。
私は子育てが進んでから作りましたが、「もっと早く作っておけば」と感じました。年齢よりも、今の家計の数字が手元にあるかどうかが大切です。
エクセルや表計算が苦手でも作れますか?
大丈夫です。作れます。日本FP協会のシートには、紙に印刷して使えるPDF版があり、手書きで埋められます。電卓があれば、収支も残高も無理なく出せます。
表計算に慣れている方は、エクセル版を使うと貯蓄残高などが自動で計算されて便利です。
FP(専門家)に相談しなくても大丈夫ですか?
まずは自分で作ってみることをおすすめします。自分の手で書き出すと、わが家のお金を自分ごととして考えられるからです。
そのうえで、住宅の購入など大きな判断で迷うときに相談すると、土台ができている分、話も具体的に進めやすくなります。
まずは年間収支から、始めてみよう
ここまで、4つの表でライフプランを作る流れをご紹介しました。
- ① 年間収支:今のお金の流れ
- ② バランスシート:今の資産(現在地)
- ③ ライフイベント表:未来の予定(目的地)
- ④ キャッシュフロー表:未来のお金(道のり)
全部いっぺんに作ろうとしなくて大丈夫です。
まずは①の年間収支から、手元の明細を見ながら、昨年1年間の収入と支出を書き出してみてください。
それだけで、将来のお金の不安が「なんとなく怖い」から「具体的に備えられること」に変わっていきます。
完璧じゃなくて大丈夫。書いてみることが、最初の一歩です。
ライフプランづくりの第一歩は、こちらから始められます。
1年間にいくら貯まる?|年間収支を書き出したらライフプランが見えてきた毎月の家計管理から整えたい方は、こちらも参考にしてみてください。
家計簿が続かない人へ|4つでOK。1か月のお金をシンプルに見える化する方法将来に向けてお金を準備する仕組みは、こちらで紹介しています。
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