新NISAで何を買えばいい?|投資信託の選び方を初心者向けにやさしく解説

新NISAで何を買えばいいか迷う女性 投資・お金の知識

新NISAの口座を開いたのに、商品を選ぼうとしたら種類が多すぎて固まってしまった……。

「全世界株式」「米国株式」「NASDAQ」……どれを選べばいいのかわからない。そのまま画面を閉じてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、初心者はまずオルカンかS&P500を1本選べばOKです。

この記事では、実際に新NISAで積立投資を続けている経験をもとに、投資信託の基本からオルカンとS&P500の違いまで、選び方の考え方をわかりやすくお伝えします。


投資の前提|長期・分散・積立

新NISA(少額投資非課税制度)での投資には、基本となる考え方があります。それが「長期・分散・積立」です。

短期間で増やそうとするのではなく、時間をかけてコツコツ積み立てる。それだけで、リスクをぐっと抑えやすくなります。

長期積立でお金が増えるイメージグラフ

試しに、月3万円・積立期間30年で利回りを変えてシミュレーションしてみると、次のようになります。

想定利回り元本運用資産額(試算)
4%1,080万円約2,056万円
6%1,080万円約2,924万円
8%1,080万円約4,226万円

※いずれも金融庁つみたてシミュレーターによる試算です。将来の運用成果を保証するものではありません。なお、オルカンのベンチマーク(MSCI ACWI)の過去30年の年平均利回りは約7〜8%とされています。

自分でシミュレーションしてみたい方はこちら。
金融庁|つみたてシミュレーター

「そもそも積立投資って怖くないの?」と感じている方は、先にこちらを読んでみてください。

積立投資が怖いと感じている方はこちらへ。
積立投資は怖い?初心者が知っておきたいリスクとの向き合い方


初心者が知っておきたい投資信託の基本

世界全体に分散投資するイメージ

投資信託とは?

投資信託(とうしんたく)とは、たくさんの株式や債券をまとめてセットにした金融商品のことです。

1社の株を単独で買うと、その会社の業績によって大きく影響を受けます。でも投資信託なら、何十・何百もの会社にまとめて投資できるため、1社がうまくいかなくても影響を和らげることができます。少ない金額から始められて、専門的な知識がなくても持てるのが、初心者に向いている理由のひとつです。

投資信託には大きくインデックスファンドアクティブファンドの2種類があります。

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

インデックスファンドは、日本や世界の株価指数に連動するように設計された商品です。株価指数(かぶかしすう)とは、市場全体の動きを数字で表したもので、日本でなじみ深いのは「日経平均株価」や「TOPIX」。インデックスファンドはこうした指数の動きに合わせて、特定の会社を選ぶのではなく、市場全体に幅広く投資します。手数料(信託報酬・しんたくほうしゅう)が低く、長期投資に向いているため、多くの専門家が初心者に勧めています。

また、世界経済の変化に合わせて成長した企業が自動的に組み入れられ、低迷した企業は外れていきます。この銘柄の入れ替えもファンドが自動で行うため、自分で管理する手間がかかりません。

一方のアクティブファンドは、専門家が「この会社が伸びる」と判断して積極的に銘柄を選ぶ商品です。手数料は高くなりがちです。また、長期的にインデックスの成績を上回ることは難しいとも言われています。

オルカン・S&P500、どちらを選ぶ?

オルカンとS&P500を比較するイメージ

オルカン・S&P500・NASDAQ100はなぜ人気?

新NISAの買い付けランキング上位に入るのが、次の3つです。

全世界株式インデックスファンド(通称オルカン)
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がよく知られています。1本で世界の先進国・新興国を含む約3,000社に分散投資できます。

S&P500インデックスファンド
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が代表的です。アメリカの優良企業500社、米国市場の約80%をカバーしています。

NASDAQ100インデックスファンド
アップル・マイクロソフト・エヌビディアなど米国のIT・ハイテク上位100社に投資します。「eMAXIS NASDAQ100インデックス」が代表的な商品です。AI・半導体関連の成長期待が高い一方、値動きが3つの中で最も激しく、投資に少し慣れてから検討する商品として頭に入れておくとよいでしょう。

3つに共通する選ばれる理由は、低コスト・長期向き・シンプルのバランスが優れていることです。信託報酬(毎年かかる管理費用)は、オルカンで0.05775%以内。長期間保有するほど、コストの低さはリターンに大きく影響します。

ひとつ大切なことをお伝えしておくと、同じ「全世界株式」や「S&P500」に連動する商品でも、ファンドによって信託報酬に大きな差があります。中には手数料が数倍異なる商品も存在します。選ぶときは、業界最低水準の信託報酬を目指すことで知られる「eMAXIS Slim」シリーズを基準にするのがおすすめです。商品名に「eMAXIS Slim」と入っているかを確認する習慣をつけておくと安心です。SBI証券や楽天証券なら、これらの商品を100円から積み立てることができます。

過去には世界経済・米国経済ともに長期的に成長してきた実績があります。ただし、将来の成長を保証するものではなく、元本保証(がんぽんほしょう)の商品でもありません。近いうちに使う予定がないお金で、長い目で積み立てていくことが前提です。

オルカンとS&P500、どちらを選べばいい?

判断の軸は「将来の成長をどこに期待するか」と「どこまで値下がりに耐えられるか」の2点です。

オルカンS&P500
投資対象世界約47カ国・約3,000社米国の主要企業500社
中身の米国比率約6〜7割100%
値動きの特徴ややおだやか下落時は激しめ

オルカンが向いている方:

  • 米国1強がいつか終わるかもと感じている
  • 20〜30年、ほったらかしで運用したい
  • 世界全体の経済成長に丸ごと乗りたい

S&P500が向いている方:

  • 今後も世界を引っ張るのは米国だと思っている
  • 値下がりしても長い目で持ち続けられそうな気がする

どちらも長期積立を前提にした商品です。この記事で紹介した判断基準を参考に、自分に合う一本を選んでみてください。

私自身、最初はS&P500に惹かれていました。パフォーマンスの良さは魅力的でしたし、周りでも選んでいる人が多かったので。でも「アメリカの会社だけ」という点がどうしても引っかかりました。アメリカ経済が今後も強いとは思いながらも、1カ国だけに集中するのは少し怖い、という感覚です。その点オルカンは世界中の国の会社に分散されているので、気持ちが楽でした。それに、オルカンの中身を見るとアメリカ株が約6割を占めています。つまり、オルカンを選んでもアメリカ経済の恩恵はしっかり受けられる。「世界に分散しながらアメリカにも乗れる」という点が、最終的な決め手になりました。仕事や育児で忙しいからこそ、深く考えずに放置できる安心感も大きかったです。正解は一つではありません。

最初から1本に絞っていい

「分散投資が大事と聞いたから、オルカンとS&P500を半分ずつ買おう」と思う方もいるかもしれません。

一つだけお伝えしておくと、オルカンはすでに約6〜7割が米国株で構成されています。半分ずつ買うと、全体の約8割が米国株という構成になります。それを理解したうえで納得できるなら、その選択でも大丈夫です。

ただ、最初は1本の方が管理もシンプルで続けやすいと思います。


やりがちな失敗4つ|始めてから気をつけたいこと

投資の値動きを毎日チェックして焦る様子

新NISAを始めた後につまずきやすいポイントをお伝えします。

① 銀行窓口や対面型証券で手数料の高い商品を買ってしまう

「NISAを始めたい」と銀行の窓口に相談しに行くと、手数料の高いアクティブファンドや窓口専用商品を勧められることがあります。商品自体が悪いわけではありませんが、同じ指数に連動する商品でも、ネット証券なら信託報酬がずっと低い商品を選べます。SBI証券や楽天証券のようなネット証券で口座を開くと、eMAXIS Slimシリーズを100円から購入できます。

② 暴落時に怖くなって売ってしまう

長期積立で最も避けたいのが、株価が下がったときに「もう無理」と売ってしまうことです。売った瞬間に損失が確定し、その後の回復にも乗れなくなります。積立投資は、下がったときも淡々と続けることで効果が出る仕組みです。「下がっても売らない」と最初から決めておくと、いざというときに慌てずに済みます。

③ 生活費まで投資に回してしまう

非課税枠(年間360万円)があると、焦って埋めたくなる気持ちはわかります。でも、近いうちに使う予定のお金や生活の余裕資金まで投資に回してしまうと、いざというときに取り崩すことになります。投資に回すのは、当面使わない余裕資金の範囲内にしておきましょう。

④ SNSで話題の商品に乗り換えてしまう

「あの銘柄が上がっている」「あの商品の方がいい」という情報に流されて、次々と商品を変えてしまうパターンです。売却枠(一度使った非課税枠は翌年まで再利用できない)を消費することにもなります。最初に自分の軸で選んだ商品を、じっくり持ち続けることが大切です。

特に注意したいのが、AI・半導体やインド株など特定のテーマに集中する「テーマ型・セクター型」と呼ばれるファンドです。値動きが激しく、信託報酬も高めになりがちで、話題になったタイミングが株価のピークであることも少なくありません。一方、オルカンやS&P500はIT・金融・ヘルスケアなど複数のセクターに幅広く分散されているため、特定の業種の不振が全体に与える影響を抑えられます。まずはオルカン・S&P500で土台を作ることをおすすめします。

どれも「やってしまいがち」なことばかりです。気づいたときに軌道修正できれば大丈夫です。


まとめ|シンプルに選んで、まず始めてみる

積立設定を終えてほっとする女性

新NISAで何を買えばいいか、少し整理できましたか?

  • 迷ったらオルカンかS&P500を1本選んでみる
  • 元本保証ではないので、近いうちに使う予定がないお金で始める
  • 長期・積立・シンプルを心がける

私がNISAを始めたのは、正直もっと早くできたはずでした。「もう少し勉強してから」と思っているうちに時間だけが過ぎて、今になって「あのときから積み立てていれば」と感じています。老後の備えも、子どもの教育費も、時間を味方にするほど楽になります。

子どもの教育費の貯め方については、こちらも参考にしてみてください。
子どもの教育費、どう貯める?無理なく続くシンプルな考え方と始め方

まずオルカンかS&P500のどちらか1本を選んで、少額から積立設定をしてみてください。一度設定してしまえば、あとは続けるだけです。今日の小さな一歩が、数年後の安心につながります。


積み立て金額の決め方に迷ったら、こちらも参考にしてみてください。
積立投資はいくらから?無理のない金額の決め方

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