「教育費ってどうやって準備しよう……」
子どもが小さいころ、私もそう悩んでいました。当時の私が選んだのは、保険屋さんに相談して加入した貯蓄型保険(保険料を積み立てながら将来まとまったお金が受け取れる保険)でした。
あれから15年以上が経ちます。受け取ったのは、元本よりほんの少し多い金額でした。
ちょうど株価がどんどん上がっていた時期のことです。それでも増えたのは「ほんの少し」。「あのお金を投資に回していたら、もっと増えていたんだろうな」——そう思うことが、正直あります。f
でも、これは仕方のないことだとも思っています。15年前は、今のようにスマホひとつでかんたんに投資できる環境がありませんでした。ネット証券もまだなじみが薄く、「投資=難しいもの・怖いもの」という空気もあった時代です。保険屋さんに相談して決めたことは、あの時代なりの選択でした。
ただ、今のあなたには、私にはなかった選択肢があるのも事実です。
この記事では、私の体験も正直にお話ししながら、今の時代に合った教育費の準備の考え方をお伝えします。難しく考えなくて大丈夫です。まずは小さな一歩から、一緒に始めてみましょう。
この記事でわかること
- 教育費はざっくりいくら必要か
- 貯金・学資保険・積立投資、それぞれの特徴
- 無理なく続けるための「役割分担」の考え方
- 今日から一つだけできること
私は迷いませんでした——保険屋さんに言われるまま決めた

「学資保険はもう遅いの?」「新NISAって暴落したら怖い」「今さら始めて、大学に間に合うのかな?」——そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「学資保険・貯金・投資、どれがいいんだろう?」と悩む方も多いと思います。でも正直にいうと、私は迷いませんでした。
保険屋さんに相談したら「貯蓄型保険がいいですよ」と言われて、そのままサインしました。他の選択肢を比べてみようとすら思わなかった。「プロが勧めるなら間違いない」という感覚だったと思います。
同じような経験をした方、多いのではないでしょうか。
実は、教育費を準備している家庭でも、56%が「計画通りにできていない」と答えています(レオス・キャピタルワークス調査、2025年6月)。準備しようとしている人の半数以上がうまくいっていない。私もその一人でした。
「とにかく何かを始めた」だけでは十分でないこともある——それが正直なところです。
だからこそ今、選択肢を少し整理しておくことをおすすめしたいのです。
教育費はざっくりいくらかかる?
まずはざっくりとしたイメージだけ押さえましょう。細かい数字を全部覚える必要はありません。
文部科学省の調査などによると、子ども1人にかかる教育費(幼稚園〜大学)は、公立中心で約1,000万円、私立が多いと1,500万〜2,000万円以上になるといわれています。
この金額を見て「無理!」と感じた方も多いかもしれません。でも、これは18年以上にわたって少しずつかかるお金です。一度に用意する必要はありません。
「一番お金がかかるのは、大学進学のタイミング」ということを頭に入れておくだけで、準備の方向性が決まります。
2025年度の大学の学費をまとめると、おおよそ以下の通りです。
| 大学の種別 | 初年度納入金の目安 | 4年間の学費合計 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 約82万円 | 約242万円 |
| 私立大学(文系) | 約133万円 | 約411万円 |
| 私立大学(理系) | 約165万円 | 約542万円 |
※初年度納入金=入学金+授業料+施設設備費など。一人暮らしの場合は生活費が別途かかります。なお、私立大学の授業料は多くの学部で値上がり傾向にあります。
※初年度:旺文社 教育情報センター「2025年度 大学の学費平均額」(2025年8月)、4年間合計:朝日新聞ThinkCampus(2025年11月)をもとに掲載。
さらに、一人暮らしをする場合は生活費が年間約212万円かかるといわれています(日本学生支援機構、2022年度調査)。
国立でも私立でも、自宅でも一人暮らしでも——大学には、大なり小なりお金がかかります。
だからこそ、金額の大小より「早く準備を始めること」が大切です。入学金と最初の授業料は一度にまとめて払う必要があるため、そこに向けて少しずつ積み上げていきましょう。
また、在学中の費用のうち平均して約半分を保護者が負担し、残りは奨学金や学生本人のアルバイト収入などでまかなうケースが多いといわれています(朝日新聞ThinkCampus、2025年11月)。「全額を自分たちで用意しなければ」と焦る必要はありませんが、準備できる分は早めに積み上げておくと、いざというときの選択肢が広がります。
教育費の貯め方は3つある

① 貯金(積立預金)
一番シンプルな方法です。元本が減らないので安心感があります。ただし、今の低金利環境ではほとんど増えないのが正直なところです。
② 学資保険
月々の保険料を払うことで、子どもが一定の年齢になったときにまとまったお金が受け取れる保険です。「強制的に積み立てたい」という人に向いています。
ただし、途中解約すると損をすることが多く、柔軟性が低い点は注意が必要です。
③ 積立投資(新NISAなど)
毎月一定額を投資信託(さまざまな株や債券をひとまとめにした金融商品)に積み立てる方法です。長期で運用することで、貯金より増える可能性があるといわれています。
ただし、価格は上がることも下がることもあります。「近いうちに使う予定があるお金」には向きません。これは大事なポイントです。
結論:「貯金+積立投資」の組み合わせが現実的
3つを比べてみると、「どれか1つが正解」ではないことが見えてきます。
私がたどり着いたのは、「近いうちに使うお金は貯金、15年以上先の準備は積立投資」という役割分担です。
| 用途 | 向いている方法 |
|---|---|
| 小・中学校の費用(数年以内に使う) | 積立貯金 |
| 大学進学費用(15年以上先) | 積立投資(新NISA) |
新NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益が非課税になる国の制度のことです。2024年から大きく使いやすくなりました。
「15年以上」としているのは、私自身の考え方です。投資は価格が上がることも下がることもあります。でも、15年以上先に使う予定のお金なら、途中で価格が下がっても回復を待てます。「来月使うお金」なら下落は困りますが、「15年以上先に使うお金」なら焦らなくていい——そう思っています。
たとえば、「子どもが18歳になるまでの15年間、教育費のために積み立てる」と目的と期間を決めると、続けやすくなります。子どもが小さいうちに始めれば、大学進学までに十分な時間があります。
子どもがすでに4〜5歳で、大学まで13〜14年という場合はどうすればいいか。私の考えでは、貯金と積立投資を組み合わせるのは同じですが、投資の比率はリスク許容度(どのくらいの値動きなら受け入れられるか)によって変えるのがいいと思っています。価格の値動きが不安な人は貯金多め・投資少なめ、ある程度の変動は受け入れられる人は半々くらい、という具合です。「どのくらいの値動きなら気にせず続けられるか」を基準にして、自分に合った比率を探してみてください。
たとえば、児童手当(国から支給される子育て世帯への給付金。子どもの年齢などに応じて月1〜1.5万円程度)をそのまま教育費に充てるなら、半分を貯金・半分を積立投資に分けてみるのも一つの方法です。月1万円なら5,000円ずつ——「どう分けるか」より「始めること」が先です。
児童手当の管理方法について詳しくはこちら
すべてを投資に回す必要はないし、すべてを貯金にしなくてもいい。役割を分けて、両方を少しずつ進めていく——それが無理なく長続きするコツです。
積立投資の仕組みや始め方については、こちらの記事で詳しく書いています。
→ 積立投資は怖い?新NISAで始めた初心者の体験談とやさしい始め方
共働きのご家庭であれば、「夫婦それぞれが月いくらずつ積み立てるか」を決めるだけでも、驚くほど形が整ってきます。難しく考えず、まずは「担当を決める」ところから始めてみてください。
私が先取り貯金を始めたきっかけ
若いころ、妹が銀行に勤めていました。ノルマの都合で口座を作り、そこに貯金をすることになったのですが、自宅の近くに支店もATMもありませんでした。
毎月少額ずつ移していたら、気づいたら数十万円が貯まっていました。
浪費の癖は、正直変わっていませんでした。それでも、貯金だけは増えていた。
意志ではなく、引き出せない環境が貯金をつくっていました。
その体験が、先取り貯金という考え方の原点です。給料が入ったら先に別口座に移して、残りで生活する。それだけのことで、結果が全然違いました。
結婚後は「目的別」に分けるようになりました。教育費のために、月5,000円を専用口座へ。小さな金額でも、目的が決まっているとなぜか崩しにくいもの。「この口座は子どもの教育費のためだから」という意識があるだけで、手をつけにくくなります。
教育費専用の口座を一つ作って、自動振替を設定する——それだけです。難しいことは何もありません。
→ 先取り貯金の具体的な始め方は「貯金が続かない人へ|意志に頼らない先取り貯金のシンプルな始め方」で詳しく書いています。
無理なく続けるための3つのコツ
① 先取りにする
生活費から残ったお金を貯めようとすると、どうしても残らないことが多いです。給料が入ったら先に移す「先取り」の仕組みを作りましょう。
② 金額は少額からでOK
最初から「月3万円」と頑張りすぎると、続きません。月5,000円でも1,000円でも、続けることのほうがずっと大切です。慣れてきたら少しずつ増やせばいい。
③ 自動化する
毎月「振り込まなきゃ」と考えると、ついつい後回しになります。銀行の自動振替や証券口座の積立設定を使って、「忘れても勝手に貯まる」状態を作りましょう。
やらなくていいこと
教育費の準備で、実はやらなくていいことも紹介します。
- 完璧な計画を立てること:子どもの将来は変わります。「だいたいこのくらい」で十分です
- 無理な節約をすること:教育費のために今の生活を削りすぎると、長続きしません
完璧を目指さないことが、長く続ける一番の秘訣です。
計画通りにいかなくても、少しずつでも積み立てていれば、お金は着実に貯まっていきます。そして、もし子どもが奨学金を使うことになったり、思ったより費用がかからなかったりしても、貯まったお金が困ることはありません。教育費として使わなければ、老後の資金にも、緊急の備えにもなります。
貯めておいて損はない——それが教育費準備の、もう一つの大切な真実です。
今日からできること

難しく考えなくて大丈夫です。まず一つだけ試してみてください。
- ざっくりした目標額を決める(例:「大学費用として200万円を積み立てる」)
- 月いくら積み立てられるか考える(子どもの年齢から逆算する)
- 教育費専用の口座を1つ作る
- 自動積立を設定する(銀行アプリや証券口座で数分あれば設定できます)
「月1,000円から始めた」でも「口座を作っただけ」でも、ゼロより全然いい。始めた人だけが、数年後に「あのとき動いてよかった」と感じられます。
まとめ:小さく始めても、未来は変わる
教育費の準備に、完璧な正解はありません。大切なのは、早く始めて、無理なく続けることです。
- 教育費は「大学進学のタイミング」が最大の山場
- 近いうちに使うお金は貯金、長期的な準備は積立投資で役割を分ける
- 先取り+自動化で、続けやすい仕組みを作る
全部いっぺんにやろうとしなくて大丈夫です。
まずは教育費専用の口座を一つ作るところから、今日始めてみてください。月1,000円でも構いません。「あのとき始めておけばよかった」と後悔する前に、小さな一歩を踏み出してほしい——そう願っています。
あなたとお子さんの未来が、少しでも安心できるものになりますように。
積立投資のことが気になった方は「積立投資は怖い?新NISAで始めた初心者の体験談」もあわせてご覧ください。
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